家計から分かる暮らしの特徴

この記事の所要時間: 950

前回、「最近の家計収支-家計簿からみたファミリーライフ」を読んでくださった皆様も、そうでない皆様もこんにちは。

今回も、統計局による家計調査の結果に基づいて書かれた『家計簿からみたファミリーライフ』という記事を読みながら、節約について考えてみたいと思います。この連載は同記事の章立てに基づき、前回も含めて全5回で連載予定です。

今回は第2回ということで、「第2章 家計から分かる暮らしの特徴」を読みながら、より具体的に節約方法を考えてみましょう。この章は、「1. 家計支出の移り変わり」「2. あの日には欠かせない・この日には欲しいこの品目」「3. 土地柄が表れる食生活」の3つの項目から成っています。

「1. 家計支出の移り変わり〈増え続ける移動電話通信料〉」を読む

わたしたちの生活は、その様式も、経済状況も、時代の流れに従って変化しています。
第2章最初の項目では、支出に見られる傾向の変化について書かれています。
見出しは〈増え続ける移動電話通信料〉〈昭和45年の2.2倍となった調理食品の支出金額〉〈低下傾向にある「被服及び履物」の支出割合〉の3つですが、
今回は、殊に特徴的である〈増え続ける移動電話通信料〉について、詳しく検討したいと思います。
通信費は前回検討したように、近年支出に占める割合が大きくなっている項目で、さらに今後変化する可能性が高い上、毎月殆ど同じようにかかる固定費だからです。

皆さんにとって、インターネットや、PC(Personal Computer)、携帯電話、PDA( Personal Digital Assistant/Personal Data Assistance)と呼ばれる携帯情報端末は、どのような存在ですか。

そのいずれも、ほんの20年前までは普及していませんでした。

インターネットが一部の研究者や技術者たちだけでなく、広く使われるようになったのは、Sir Timothy John Berners-LeeとRobert Cailliauとが開発したWorld Wide Web(WWW)がインターネットと結合され、無料で開放された後、つまり1993年以降のことです。
PCの出荷台数が増えたのも、1993年から1996年にかけてと言われていますから、これらは連動して普及していったと考えられます。

携帯電話の普及も同様です。
記事の該当箇所によれば、携帯電話の契約数は1995年以降増加傾向にあり、その背景には1994年に携帯電話がレンタル制から売り切り制に移行してから、電話機の性能が上がり利用料金が下がったことがあると分析しています。PHSのヒットに伴い、携帯電話も個人用に売れ始めたからというのも理由の1つに挙げられるでしょう。そして携帯電話が一般的になったのも、1998年以降、スカイウェブ・iモード・EZwebといった携帯電話でインターネットが使えるサービスが提供され始めたことが要因だと思われます。
図2-1
図 2-1 1世帯1か月当たりの電話通信料の支出金額の推移(二人以上の世帯)

今や、インターネットはわたしたちの生活の基盤の1つになっていると言えるでしょう。
そして現在、携帯電話やPCに続いてPDAも、スマートフォンやタブレットという形でわたしたちの生活に欠かせない存在になりつつあります。

記事では、移動電話の通信料が上がる一方で固定電話の通信料は減少し続けていること、通信料全体は増加していることも明らかにされています。

ここでわたしたちが考えたいのは、通信料をいかに節約するかです。

まず、あなたが持っている情報端末と、利用している回線をピックアップしてみてください。

自宅でPCを、外出先で携帯電話もしくはPDAを使っている人が多いでしょう。

その場合、それぞれ通信回線は何を利用していますか。
スマートフォンとPCとで異なる通信回線を利用していると、単純に通信料が2倍になってしまいます。

現在かかっている通信料の総額を出来るだけ少なくするには、大きく分けて2つの方法があります。

1つは、通信料を納める先を1つにまとめることです。
もう1つは、PDAや携帯電話の通信料を極力抑えることです。

前者を可能にするのは″モバイルルータ″の利用です。
モバイルルータは、モバイルWi-Fiルータとも呼ばれ、その名の通り持ち運ぶことが出来、基地局からの電波を拾える場所ではどこでもインターネットに接続できます。

Wi-Fiとは、無線LANのうち、Wi-Fi Allianceという団体によって、IEEE 802.11シリーズの規格に当てはまっている(同じ認証を受けた他の機器と相互に接続できる)と認められること、また認められたもののことです。
Wi-Fi認証を受けた製品は“Wi-Fi CERTIFIED”と表示されます。

そしてモバイルWi-Fiルータは、Wi-Fiに対応した情報端末を無線LAN(やはりWi-Fiと呼ばれる)に接続することを可能にするものです。無線LANは電波なので、無暗に使用されることのないよう、実際の接続には認証キーを用います。

屋内でPCをインターネットに繋げるときは、個々の建築物に回線を引き、モデムあるいは光回線終端装置でデータを変換して、PCに繋ぐのが一般的です。同じ屋内で複数のPCを使う際には、そこから無線ルータを使って家庭内LANを構築し、データをやり取りできるように処理します。

しかし昨今は、モバイルルータを使う方法も広まりつつあります。モバイルルータの役割は、モデムあるいは光回線終端装置に繋ぐ無線ルータと基本的には同じです。違うのは、無線ルータが有線で届いた電波に繋がるのに対し、モバイルルータは基地局から発信された無線電波を拾うということです。

それに似ているのが、″テザリング″を利用する方法です。テザリングとは、スマートフォン等をモバイルルータとして使うこと、またその機能のことです。

しかし、モバイルルータやテザリングを用いる方法では、基地局から離れたり何かに妨げられたりする等の事情によって電波を受け取れない場合もあり、インターネット接続が不安定になる可能性があります。

インターネットを安定した状況で使いながら節約もしたいという方には、2つ目の方法、PDAや携帯電話の通信料を極力抑えることをお勧めします。

最近は、駅、コンビニエンスストア、ファストフード店などを中心にWi-Fiスポット等と呼ばれる公衆無線LANが用意されていて、Wi-Fiに対応した情報端末と認証キーがあれば、そのエリアの中ではインターネットに接続できます。

スマートフォンを使う時、どなたも携帯電話会社(キャリア/電気通信事業者)と契約をします。スマートフォンは、Wi-FiのスイッチをONにしておけば優先してWi-Fiに接続してくれますが、Wi-Fiに繋がらないエリアでは自動的に、キャリアが独自に提供している3G(3rd. Generation)回線に繋がります。そうするとパケット代が高額になってしまうので、専用のアプリを入れて3G回線に繋がらないようにし、インターネットへの接続には専ら公衆無線LANを利用している人もいます。公衆無線LANは、比較的安価で利用でき、高額なパケット定額サービスを契約するより、通信料を節約できるといいます。

どちらを選ぶかは、あなたが情報端末を用いて何をするか、また情報端末をどのように使いたいかに依ります。

食生活の変化に伴う支出の変化と、効果的な節約

さて、今度は「1. 家計支出の移り変わり〈昭和45年の2.2倍となった調理食品の支出金額〉」、「2. あの日には欠かせない・この日には欲しいこの品目」、「3. 土地柄が表れる食生活」をまとめて読みながら、わたしたちの食生活の変化と、それに伴う支出の変化を考えてみたいと思います。

1970年と2011年とを比較すると、食料品にかける金額は減っているのに、そのうち調理食品にかける金額が2.2倍に上がっています。
比較方法は、1世帯当たりの年間支出金額について、消費者物価の変動分を取り除き、昭和45年を100とした実質年間支出金額指数の推移をみたものです。

図2-2
図 2-2 食料、調理食品及び外食の実質年間支出金額指数(二人以上の世帯)

また、チョコレートはバレンタインデーの、ケーキはクリスマスのそれぞれ前日に、購入が特に多くなるようです。他の商品の日別集計結果は取り上げられていませんが、イベントに合わせて特定の日に購入が集中する商品は、他にも多くあると予想できます。
図2-4
図 2-4 1世帯当たり一日ごとの支出金額(二人以上の世帯)

最後に、消費者の嗜好には土地柄が表れるようです。
図2-5
清酒の支出金額全国一の新潟市、かき(貝)の支出金額全国一の広島市、カステラの支出金額全国一の長崎市

これら3つの記述からわたしたちの食生活に関するキーワードを読み取るなら、
「中食の活用」「イベントの重視」「地産地消の流行」ということになると思います。

「中食」は出来合いのおかずなどを指しますが、これがもてはやされているのは、共働き世帯が増加して調理時間に割ける時間が減少していることと、1人暮らしでの自炊は思いの外不経済であることが理由なのではないでしょうか。
節約という観点だけで見るなら、これは合理的な選択と言えるでしょう。

イベント毎に必要な食材を買うことは、伝統的な年中行事を次の世代に伝えていくためにも、生活を楽しむためにも必要なことです。節約の方法としては、
① イベントに合わせた小売店の企画販売を利用して、お得なものを見つけて買う
② 友人や家族と共に手作りし、まとめて作ることで費用を下げる
③ 豪華な商品を購入するために前もって食費を削り、「イベント貯金」をする
などを挙げることができます。

地産地消は地元で獲れた農作物などを当地で消費することですが、地元の農業を盛り上げるためにも良い傾向と言えると思います。

これらの傾向を踏まえて、食費を減らすために必要な観点はただ1つ、「それを心から食べたいかどうか」です。もちろん、栄養バランスを取る必要はありますので、インスタント食品やスナック菓子について、特にそれを考えてみてください。
また、テクニックとしてはありきたりですが、食費の上限を決めて中食や外食分を抜き、その1/4で1週間分の買い物をまとめてするのが有効です。
買ってきた食材を元にカレンダーに献立を書き込むと、効率が上がります。

支出に占める割合の低下した「被服及び履物」にかける費用をどう節約するか

1970年代半ばまで、1世帯当たり年間消費支出の1割近くを占めていた「被服及び履物」は、2011年には4.3%に低下しています。
内訳では、下着類・シャツ・セーター類などの消耗品は上昇しており、オーダーメイドなど被服関連サービスは低下しているそうです。

図2-3
図 2-3 消費支出に占める「被服及び履物」の割合及び
「被服及び履物」の内訳の割合(二人以上の世帯)

こうした傾向からは、被服で節約できることはないようにも見えますが、逆転の発想で長期的な支出を抑えることはできるのではないでしょうか。
① 年間に被服及び履物にかける額を決め、その範囲で良いものを1点ずつ新調する。
② クリーニング代を確保し、服を長持ちさせる
③ 急な出費を想定して、服や靴を買ったつもりで貯金する
方法は3つ以外にもあると思いますが、考え方は食費の節約と同様「それを心から身に着けたいかどうか」です。
是非、無駄遣いをしていないか見直してみてください。

参考
総務省「家計調査」『家計簿からみたファミリーライフ』
Wi-Fi(Wi-Fi)とは、結局のところ何なの?
IEEE-SA -IEEE Get 802 Program – 802.11: Wireless LANs
テザリング | サービス・機能 | NTTドコモ
ケータイWi-Fi | サービス | ソフトバンクモバイル
モバイルWi-Fiルーター徹底比較:第4回 端末代+通信料のトータルコストがお得なモデルは? – ITmedia PC USER
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