はじめに
皆さんは『水素水』を飲んだことはありますか?
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伊藤園 進化する水 水素水 (ボトル缶) 410ml×24本 新品価格 |
2016年にひっそりとブームになった『水素水』。
名前自体が冗語ともいえる所謂「ただの水」ですが、2016年はこれが売れに売れました。
明確な定義がない商品を「なんとなく健康そう」というイメージだけで売れるわけですから、何も考えていない消費者は一定数いるわけです。
そんな一定数が損を被ろうが関係ない、強いて言えば不労所得に近い形で利益を稼ぐ企業が羨ましい…という我関せずの状態が続いていましたが、ついに国民生活センターが御触れを出しました。
容器入り及び生成器で作る、飲む「水素水」-「水素水」には公的な定義等はなく、溶存水素濃度は様々です-
水素水その1 結論
先述した国民生活センター調査の結果における結論(消費者へのアドバイス)を抜粋してご紹介します。
(1)水素水には公的な定義等がなく溶存水素濃度も様々です。また、特定保健用食品(トクホ)や機能性表示食品として許可、届出されたものは、現在のところありません。
(2)容器入り水素水のパッケージに表示されている溶存水素濃度に、充填時や出荷時とある場合は、飲用する時の濃度とは限りません。また、水素水生成器も水質や水量等により変わる旨の表示があり、必ずしも表示どおりの濃度になるわけではありません。
(3)水に溶けている水素ガス(水素分子)は、容器の開封後や水素水生成器で作った後の時間経過により徐々に抜けていきます。
(1)については、水素水を最初からただの水と見て手を出さずにいた方には納得の結果です。
そもそも「水素水」という名前自体がペテンであり、成分・効能もデタラメです。
もし身近に水素水愛好家がいた場合、説得をする際の主張の一つにしましょう。
(2)については国民生活センター発表のPDFにおける「6.テスト結果」(2)溶存水素濃度から詳しいデータを確認することができます。
何かに対する劇的な改善効果もない水素ガスをありがたがる水素水愛好化の方を説得する際に有用です。
国民生活センターが実際に販売されている商品を用いてテストを行った結果、
容器入りのパッケージの溶存水素濃度表示に、充填時や出荷時と記載のあった5銘柄のうち3銘柄で、表示値より測定値の方が低い濃度でした。
また、パッケージに表示のない3銘柄のうち、ペットボトルの2銘柄では溶存水素(水素ガス)は検出されませんでした。
という結論に達しました。
パッケージに表示のない銘柄については言うまでもなく、ただの詐欺です。
「水素水」という名前にすればただの水が売れるわけですから、当然溶存水素濃度なんて気にしませんよね。
病は気からといいますし、それでいいのかもしれません。
(3)についてもわざわざ国民生活センターは詳細な実験データをまとめています。
こんなことを公務員の給料を使って調査したこと自体が馬鹿馬鹿しいことですが、騙される一定数を見過ごしてはいけませんよね。
水素水その2 今の水素水
国民生活センターの発表がネット上で話題になった今、Amazonの水素水商品を見てみました。
『伊藤園 水素水H2 (アルミパウチ) 200ml×14本』はクリスマスまでに届くそうです。
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新品価格 |
価格推移グラフを見てみましょう。
10/8~10/16の期間で一時的に安くなっていたそうですが、ずっと定価を維持していますね。
値下がりもなく売られ続けているということは需要があるということです。水素水愛好家が日本経済の一部を回していますね。
Amazonの水素水商品のページではメーカーの宣伝文句を見ることができます。
わざわざ画像として掲載することはありませんが、気になる方は見てみましょう。時間の無駄です。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
信じるものは救われるといいますし、お金が余ってあまってしょうがないという方は試してみてもいいかもしれません。
身近に水素水の効能を必至に信じようとしている方がいる場合は、そっとしておくのもいいと思いますよ。