ライフスタイルと家計

この記事の所要時間: 919

「家計簿からみたファミリーライフ」 第4章のテーマは、「ライフスタイルと家計」です。

ライフスタイルが異なれば、収入も支出も異なります。
そしてその傾向を知ることで、ご自身のライフスタイルを見直すことが出来ると思います。

この章の項目は〈、1. 世帯の人数別に見た家計〉、〈2. 夫婦共働き世帯の家計〉、〈3. 60歳以上の二人以上の無職世帯の家計〉、〈4. 60歳以上の単身無職世帯の家計〉の4つです。

◇「世帯の人数別に見た家計」を読む

1世帯1か月当たりの消費支出を、世帯の人数別に比較してみましょう。
すると、1人世帯(単身世帯)は160,902円、2人世帯は251,769円、3人世帯は282,368円、4人世帯は313,700円、5人世帯は329,453円となっています。

単身世帯の消費支出は4人世帯の半分ですが、世帯員1人当たりの消費支出では4人世帯の2倍になっています。
Zemanta Related Posts Thumbnail

 

図4-1
平成23年の世帯の人数別消費支出(グラフ)の内訳を見てみると、
最も差の少ないのは住居費で、単身世帯から4人世帯まではそれほど大きな差が見られません。しかしそれも、単身世帯と5人世帯とを比較すると単身世帯の住居費は5人世帯のそれの1.5倍となっています。

食費について見てみると、単身世帯を1とした場合、
2人世帯はおよそ0.76倍、3人世帯は約0.59倍、4人世帯は約0.49倍、5人世帯は約0.43倍となっています。

交通・通信費は、同様に単身世帯を1とした場合、
2人世帯はおよそ0.73倍、3人世帯は約0.63倍、4人世帯は約0.54倍、5人世帯は約0.46
倍となっています。

教養娯楽費は、
2人世帯は単身世帯のおよそ0.68倍、3人世帯は約0.47倍、4人世帯は約0.4倍、5人世帯は約0.34倍となっています。

「その他」という項目には、光熱・水道、家具・家事用品、被服および履物、保健医療、教育、その他が含まれていますが、こちらの割合も単身世帯を1とした場合、
2人世帯は単身世帯のおよそ0.95倍、3人世帯は約0.70倍、4人世帯は約0.69倍、5人世帯は約0.50倍となっています。

これらを総合的に見ると、「その他」以外の項目に関する世帯員1人当たりの消費支出は、世帯人数が1人増える毎におよそ1割ずつ減っていることがわかります。

教養娯楽費にお金をかけられるのは独身者の特権といえると同時に、食費や交通・通信費、住居費は2人以上の世帯と比べて割高になっているといえます。

◇「夫婦共働き世帯の家計」を読む

勤労者世帯のうち核家族世帯(夫婦のみ又は夫婦と未婚の子供から成る世帯)の1世帯1か月当たりの収入と支出について見てみましょう。

23f4_2
図4-2

23f4_3
図4-3

夫婦共働き世帯と世帯主のみ働いている世帯とを比較してみると、夫婦共働き世帯は世帯主のみ働いている世帯のおよそ1.2倍の収入があることがわかります。金額では、夫婦共働き世帯の方が3万3千円多くなっています。

黒字について比較すると、夫婦共働き世帯は世帯主のみ働いている世帯の1.6倍です。金額では夫婦共働き世帯の方が5万7千円多くなっています。

住宅ローン返済世帯の割合は、夫婦共働き世帯が44.2%、世帯主のみ働いている世帯が32.9%と夫婦共働き世帯の方が11.3ポイント高くなっています。このことは持ち家率にも反映されており、夫婦共働き世帯の持ち家率が世帯主のみ働いている世帯の約1.1倍となっています。

グラフからわかることで興味深いのは、内訳の項目ごとの割合には、それほど大きな差がないということです。
つまり、夫婦共働き世帯の方がどの項目も少しずつ世帯主のみ働いている世帯よりも消費支出が多いということです。

◇「60歳以上の二人以上の無職世帯の家計」と「60歳以上の単身無職世帯の家計」を読む

世帯主が60歳以上の二人以上の無職世帯(高齢無職世帯)と同じく60歳以上の単身の無職世帯との収支を比較してみましょう。
23f4_4
図4-4
23f4_5
図4-5

実収入は、二人以上の世帯の方が単身世帯のおよそ1.8倍あります。
二人以上の世帯はその8割強が、単身世帯はその9割強が公的年金などの社会保障給付です。
また、それぞれの実収入から税金や社会保険料などを差し引いた可処分所得は、二人以上の世帯の方が単身世帯よりもおよそ1.7倍多くなっています。

支出と赤字額もそれぞれ、二人以上の世帯の方が単身世帯よりもおよそ1.7倍多くなっています。

支出の不足分は,貯蓄などの取り崩しで賄っていると考えられます。

支出のうち最も差が大きいのは交通・通信費でおよそ二人以上の世帯の方が単身世帯の2.1倍です。
続いて差の大きい順に、保健医療、食料、家具・家事用品、光熱・水道、その他、教養娯楽、被服及び履物、住居となっています。
最も差の小さい住居費は二人以上の世帯の方が単身世帯の1.3倍となっています。
家具・家事用品は同じようにかかりそうですがそれほど差は大きくなく、
被服及び履物は差が大きくなってもおかしくなさそうですがあまり変わらないことが特徴と言えるでしょう。

◇独身のうちに出来ること

独身の間に将来のために出来そうなことを考えてみたいと思います。

前回までで確認したように、住居費や通信費を出来るだけ抑えたり、食費や被服及び履物費を少しでも切り詰めたりすることで節約はできます。
しかし節約するだけでなく、教養・娯楽費をある程度確保できるときに、それをどのように使うかということがその後のキャリア・アップや、女性の場合は妊娠・出産後の仕事に大きく影響してくると思われます。

a0002_005732

まず、あなたの現職でキャリア・アップしていく方法にはどのようなものがあるか調べてみましょう。
それぞれの企業や業務の分野に応じて、資格取得をすることで収入が上がったり、役職に近づいたりということが叶う場合があります。
多くの企業で、年度当初に自己目標の設定をしていると思いますが、そこに資格取得を掲げると励みになりますね。
また、企業によっては資格取得にかかる費用を負担してくれるところもありますので、そうしたことを利用するのも賢い方法です。
そうしたことや、どのような資格が会社にとって望ましいか(ある資格保持者を欲しいと思っている企業も少なくありません)がわからない場合は、上司に尋ねてみましょう。

次に、あなたが別の企業に転職したいと思っている場合は、転職に有利になる資格取得を考えてみましょう。同じ業種や職種で別の企業に転職したいときは、そこで役立つ資格を取得したり、企業内で業績を上げたりすることが、その後の転職に有利になります。多少苦しくても、それが自分を成長させてくれそうなことなら前向きに取り組みたいものです。

さらに、異業種への転職を考えている場合には、希望する分野に関して朝や夕方に公開講座や専門学校に通うなどして勉強することが必要な場合もあります。
もちろん、自学自習でも良いのですが、資格取得だけでなく、未経験の世界に飛び込んでいくことになりますので、必要な知識で経験不足をカバーしたいところです。

自己投資は、お金のかかるものばかりとは限りません。
興味のある事柄に関するボランティア活動も、キャリア・アップにつながることがあります。
学芸員や図書館司書など人気の高い職業も、展覧会の監視業務や読み聞かせなど、その一部はボランティアとして関わることが出来る場合があります。
また、業種に関わらずボランティアからキャリアをスタートさせる人もいます。
やりたいことをボランティアで始められないか調べてみると、その先に素晴らしい未来が開けてくるかもしれません。

◇結婚生活を考える

もう1つ考えてみたいのが結婚後の経済生活についてです。
婚姻の形も、ライフスタイルと同じように多様化しています。
例えばこれからは、日本でも同棲するカップルが法律的な夫婦と変わらない子育てをするのが当たり前という時代が来るでしょう。
またルームシェアも一般的になり、友だち同士で住むのを始め、従来の概念に縛られない家族観が定着しつつあります。

ですから婚姻についても、法律的な結婚というだけでなく、さまざまな形を想定していいと思います。しかしいずれの場合にも、カップルでどのように家計を支えるか考えることは大切です。

夫婦で生活費を折半して大きな買い物は余裕の大きい方がより多く出すという家庭が増えている一方で、世帯主だけが収入を得、専業主婦・専業主夫が家庭を切り盛りするというスタイルの家庭も多くあります。
これは、どちらが良くてどちらが悪いということはないと思います。
それぞれに長所があり、欠点があります。

a0027_000206

あなたが目指すスタイルがどちらの場合であっても、「夫婦共働き世帯の家計」を思い出してみてください。
共働きであってもそうでなくても、項目ごとにかける費用の割合は殆ど変りませんでした。

ここに、節約のヒントがあると思います。

もともと出費の少ない項目で節約するのは難しいものです。

そこで、最も出費の多い項目を見てみると、「交通・通信」となっています。
通信は、第2回で考えてみましたので、参考になさってください。

今回は、交通費について考えてみましょう。
企業にお勤めの方で、企業が交通費を出してくれる場合は、それが直接家計に響くということはありません。
しかし交通費が1部しか、あるいはまったく出ない場合は、これを出来るだけ少なく抑えることが節約への近道ではないでしょうか。

あなたが電車通勤をしているなら、定期代の変わるところまで自転車や徒歩で行けば、運動不足解消もできて一石二鳥です。
ただ、治安も含めて安全な道を選ぶこと、暗い時刻には明るい色の洋服を着ることに留意してください。

あなたが車で通勤しているなら、思い切って燃費の良い車に買い替えてはいかがでしょうか。電気自動車やハイブリッドカーなども、燃料費が抑えられるのでいいですね。
また買い替えずとも、運転の仕方を改めれば燃費は良くなります。
急ブレーキ・急発進はしない、エアコンは外気温に近い温度で使用するなどに気を配りましょう。
また、ガソリンの価格はお店によって、また買い方に依って大きく異なります。
ポイントカードを利用したり価格変動に注意したりして、地道に節約することが大切です。

もし叶うなら、職場の近くに引っ越しをするか、自宅の近くの会社に転職するという方法もあります。ただ、自分に合った仕事場を選ばないとストレスが溜まってしまい、節約した意味がなくなってしまいます。
もしこの方法を取ろうか検討なさるときには、実行する前に様々なシミュレーションを行い熟考してください。

いかがだったでしょうか。自己投資して収入を増やすもよし、交通費を節約して支出を減らすもよし。あなたに合うお金の使い方を考えてごらんください。

SNSウィジェット

無料の家計簿アプリ Dr.Wallet