我が家の資産

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「家計簿からみたファミリーライフ」 第5章のテーマは、「我が家の資産」です。

資産といっても、20代だとピンと来ないことも多いかもしれませんね。
でも老後までの時間を考えてみると、資産を築くことの出来る時間はそれほど長くないと思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。

またリーマンショック以降、さらに東日本大震災以降の不況の影響で、消費を控えて貯蓄に励んだ人も、貯蓄をする余裕がなかった人もいらっしゃるでしょう。

この章の項目は〈1. 貯蓄の世帯分布〉、〈2. 貯蓄の種類別の状況〉、〈3. 負債の種類別の状況〉の3つです。

◇「1. 貯蓄の世帯分布」を読む

 〈二人以上の世帯の1世帯当たり貯蓄現在高は平均では1664万円〉と聞くと、皆さまはどうお感じになりますか。
 「うん、それぐらいが平均かもしれないな」とお感じになりますか。それとも、「そんなに貯金しているの?」とお感じになるでしょうか。
 そう、この金額は貯蓄の多い世帯が平均値を押し上げたために出てきた金額で、二人以上の世帯のうち約3分の2の世帯の貯蓄はこの平均値を下回っています。
 だから実感としては、「みんな随分多く貯金しているな」と感じる人の方が多いのではないでしょうか。
貯蓄現在高を額の少ない順に並べた時、真ん中の世帯の貯蓄額である中央値は991万円です。
しかしこの額も、人によって多いと感じる人もいれば少ないと感じる人もいると思います。

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図5-1

◇「2. 貯蓄の種類別の状況」を読む

 貯蓄といっても、その種類は様々です。
 「2. 貯蓄の種類別の状況」では、その構成比を検討しています。
挙げられている項目は、定期性預貯金、通貨性預貯金、有価証券、生命保険など、金融機関外の5つです。

 項目の内容が掴めない方もいらっしゃると思いますので、少し解説してみたいと思います。
預貯金は、自分のお金を金融機関に「置いておく」イメージが強いですが、金融機関にしてみればそれぞれの預金は商品の1つです。
預貯金は元本の支払いが保証されていますが、金利は時代によって、また金融機関によって変動します。
預貯金には、「通貨性預貯金」と「定期性預貯金」とがあります。
通貨性預貯金は、預入期間が決まっておらず口座へのお金の出し入れを自由にできるものを言います。
反対に定期性預貯金は、預入期間が決まっているものを言います。通貨性預貯金よりも金利が良いものが多いですが、期日より前にお金を引き出すと利率が悪くなるなど預貯金者に不利になることがほとんどです。
よく「ボーナスを定期に入れる」などと聞きますが、その「定期」は「定期性預貯金」のことです。

「2. 貯蓄の種類別の状況」を見ると、二人以上の世帯のうち1世帯当たり種類別の貯蓄現在高で最も多いのはこの定期性預貯金です。全体の4割以上を占めていますね。二人以上の世帯のうち勤労者世帯についても定期性預貯金が4割近くを占め最も割合が高くなっていますが、全体と比較すると定期性預金や有価証券の割合は低く、通貨性預貯金、生命保険など、金融機関外の割合が高くなっています。

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図5-2

証券とは、その持ち主が財産を所有していることの証となるもので、広義には契約書、借用証書、下足札や荷物の預り証、キャッシュカードなども含まれます。
そのうち有価証券とは、手形や小切手、債権といったものを指します。その財産権を移転したり行使したりする際には、証券が必要となります。

日本では、金融商品取引法2条に規定されていますが、そこでは有価証券を次のように定めています。

 一  国債証券
 二  地方債証券
 三  特別の法律により法人の発行する債券(次号及び第十一号に掲げるものを除く。)
 四  資産の流動化に関する法律 (平成十年法律第百五号)に規定する特定社債券
 五  社債券(相互会社の社債券を含む。以下同じ。)
 六  特別の法律により設立された法人の発行する出資証券(次号、第八号及び第十一号に掲げるものを除く。)
 七  協同組織金融機関の優先出資に関する法律 (平成五年法律第四十四号。以下「優先出資法」という。)に規定する優先出資証券
八  資産の流動化に関する法律 に規定する優先出資証券又は新優先出資引受権を表示する証券
九  株券又は新株予約権証券
 十  投資信託及び投資法人に関する法律 (昭和二十六年法律第百九十八号)に規定する投資信託又は外国投資信託の受益証券
 十一  投資信託及び投資法人に関する法律 に規定する投資証券若しくは投資法人債券又は外国投資証券
 十二  貸付信託の受益証券
 十三  資産の流動化に関する法律 に規定する特定目的信託の受益証券
 十四  信託法 (平成十八年法律第百八号)に規定する受益証券発行信託の受益証券
 十五  法人が事業に必要な資金を調達するために発行する約束手形のうち、内閣府令で定めるもの
 十六  抵当証券法 (昭和六年法律第十五号)に規定する抵当証券
 十七  外国又は外国の者の発行する証券又は証書で第一号から第九号まで又は第十二号から前号までに掲げる証券又は証書の性質を有するもの(次号に掲げるものを除く。)
十八  外国の者の発行する証券又は証書で銀行業を営む者その他の金銭の貸付けを業として行う者の貸付債権を信託する信託の受益権又はこれに類する権利を表示するもののうち、内閣府令で定めるもの
 十九  金融商品市場において金融商品市場を開設する者の定める基準及び方法に従い行う第二十一項第三号に掲げる取引に係る権利、外国金融商品市場(第八項第三号ロに規定する外国金融商品市場をいう。以下この号において同じ。)において行う取引であつて第二十一項第三号に掲げる取引と類似の取引に係る権利又は金融商品市場及び外国金融商品市場によらないで行う第二十二項第三号若しくは第四号に掲げる取引に係る権利(以下「オプション」という。)を表示する証券又は証書
 二十  前各号に掲げる証券又は証書の預託を受けた者が当該証券又は証書の発行された国以外の国において発行する証券又は証書で、当該預託を受けた証券又は証書に係る権利を表示するもの
 二十一  前各号に掲げるもののほか、流通性その他の事情を勘案し、公益又は投資者の保護を確保することが必要と認められるものとして政令で定める証券又は証書

 難しいようですが、国債や社債を買っている人は多いと思います。また、小切手を有している方もいらっしゃるでしょう。
 国債や社債は、定期預貯金よりも金利が高く、市場で自由に売り買いできる、株式よりは安全性が高いというメリットがあります。
 しかし、損益は景気次第、また自身の運用次第ですので、必ずしもメリットばかりとは言えません。
 さらに、発行したところが財政破綻してしまうと、元本が戻ってこない恐れもあります。

 生命保険は、簡単に言えば「亡くなった時にお金がもらえる商品」です。
 お葬式にかかる費用さえ払えれば良いという方もいらっしゃるでしょうし、小さなお子様をお持ちで万一に備えて高額の保険に入っているという方もいらっしゃるでしょう。
 特約で医療保険などが付いているものもあれば、死亡保障のみというシンプルなものもあります。どれを選ぶかは、その人のライフスタイルや考え方次第です。

 金融機関外というのは、社内預金などのこととあります。
社内預金は、企業の福利厚生として行われるものであり、すべての企業で行われているわけではありません。

「2. 貯蓄の種類別の状況」にはもう1つ、年間収入を階級ごとに分けた場合の貯蓄現在高の割合の比較もあります。

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図5-3

 これを見ると、年間収入と定期性預貯金の割合とは反比例の関係にあり、年間収入が高くなるにつれて貯蓄に占める有価証券や金融機関外の割合が高くなることがわかります。

 年間収入が高い場合、福利厚生の充実した企業に勤めていたり、投資に回せる経済的な余裕があったりするからでしょう。

◇どのような備えをするか

どのような備え方をするかはとても大事です。
アベノミクスによって、インフレが始まりつつあります。そうなると、預貯金の価値が下がってしまうということで、心配される方も多いようです。
でも、貯蓄の基本はやはり預貯金だと思います。

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冠婚葬祭に旅行、もしかして失業など、予期せぬ出来事というのはあるものです。
そのため、急な出費に備えて貯蓄をしておくのは大事なことです。

また、生命保険や医療保険に入っておくことも大切でしょう。病気になったとき、けがをしたときに、お金の心配をするのは無理だからです。

有価証券や株式などは、ある程度の預貯金があって始めて投資する意味のあるものと考えるのがよさそうです。

そのほかに、あなたが企業にお勤めで、財形貯蓄や確定給付年金もしくは確定拠出年金といった制度があるなら、それを利用するのも良いと思います。
財形貯蓄の良いところは、何と言っても給与から天引きであるということ、また条件を満たした利子や配当が非課税になるということです。
確定給付年金は、将来受け取る額が確定していること、資産の運用は企業が行い、運用に伴うリスクも企業が負うことが特徴です。
一方で確定拠出年金は、掛け金が決まっていて、資産の運用は加入者が行うこと、リスクも加入者が負うために、損をすれば元本割れを起こすこともある反面、運用がうまくいけば掛けた分よりも大きな金額を受け取ることができるのが特徴です。
また、確定拠出年金は個人の年金口座があるため、離転職の際に持ち運べるのも大きな魅力です。

企業にお勤めではない、あるいはこうした制度がないという方は、金融機関に積み立てをなさるのも良いと思います。毎月額が決まっている定期預金などに入れば、それほど意識せずに預金することができます。

貨幣の価値がどう変わるかについて正確な予測はできませんが、インフレになったからといって必ずしも景気が良くなるとか、株価が上がるというわけではありません。
やはり、地道な預貯金が大切だと思います。

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◇「3. 負債の種類別の状況」を読む

二人以上の世帯の1世帯当たり負債現在高は、住宅ローンや土地代にかかる費用がその殆どを占めています。
ほかに、奨学金の返済や車のローンなどがあるという方も多いでしょう。

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図5-4、図5-5

グラフを見ると負債が最も多いのは40歳代です。

住宅にかかる費用は人生の中でも最も大きなものの1つですので、やはり財形貯蓄や積立などで備えておければより安心だと思います。

◇節約という観点でいうなら

これは考え方なので何とも言えませんが、節約するという観点でいえば、貯蓄をするときには元本割れをしないということが一番大切だと思います。
 ハイリスク・ハイリターンな商品は、配当金額が大きかった場合には利益が上がるのでいいのですが、元本割れを起こしてしまう可能性があります。そうすると、まったく節約になりません。
 また、長い目で見た時に得をするものと、短い期間で得をするもののバランスが大切です。どんな人でも、ライフステージやライフイベントによって、必要な貯蓄や生活費というのは変わってきます。それぞれに必要なものをその時そのときで見極めつつ、将来に備えていくことが大切なのではないでしょうか。
 
 最も重要なのは、「ウマいだけの話はない」ということでしょう。
あなたの資産を守れるのはあなただけだと思います。必要なことは他人任せにせず、自分で調べたり学んだりすること、わからないまま投資をしないことなどが、節約への近道だと思います。

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