はじめに
「FXって、聞いたことはあるけど詳しくは知らない」
「大損する印象が手を出したことはないけど、実際にFXがどういう仕組みなのかはあまり知らない」
という方は、意外に多いのではないでしょうか。
外国為替を利用した取引を介してお金を稼ぐことを知ってはいるものの、その詳しい仕組みを知らない方も多いでしょう。
取引をしないにしても、やはり一般常識としてFXの仕組みは知っておきたくないですか?
仕組みを知ることで、なぜトレーダー達が一夜にして天国と地獄の分岐点に立たされるのか、またなぜそのようなハイリスク・ハイリターンの取引が実現されるのかを理解できます。
そうすれば、普段はその影響を実感しない新聞の経済欄の内容にも、自然に目が行くようになるかもしれません。
景気の変動を実感するうえでも、また老後の蓄えを考えるうえでの資産運用の一つの手段としても、FXの基礎知識は現代社会で欠かすことはできないものです。
本記事では、そんなFXの基礎中の基礎を初めから解説していきます。
FXって何?
まず最初に、FXが何かを知りましょう。
FXとは、「margin Foreign eXchange trading」の略であり、外国為替証拠金取引を意味します。
ここで注意しておきたいことは、FXとは単なる外国為替取引ではなく外国為替「証拠金」取引である、という点。
証拠金とは何なのか、ということは後にまた説明しますが、乱暴な言い方をすれば「掛け金」とことです。
FXが通貨のやりとりでお金を稼ぐという手段だということは前述した通りですが、それでは「外国為替取引」と「外国為替証拠金取引(FX)」の違いがわかりません。
その違いとは、端的に言えば「自分の持っているお金以上の取引をするか否か」です。
一般的に、「外国為替取引」は自分の資産で日本円を外貨に替え長期的にその外貨を保有し、一定の利益を得るか損切りを行うことです。
しかし反対に、FXでは一般的に長期的な取引は行いません。
その理由は、FXは「証拠金」つまり「掛け金」を用いてその何百倍もの額でトレードを行い、レート数銭円の変動で利益を狙うためです。
もちろんFXでも危険のない(証拠金以上の損をしない)取引を行うことは可能です。
しかしFXの特徴はあくまで
1. 自分の持ち金の数百倍もの取引で大金を得るチャンスがあること
2.取引が即座に行われる(数秒単位)こと
です。
この特徴の1は、「持ち金の数百倍の額を用いる取引で、大損をする高いリスクがあること」も示しています。
初めから資産が豊かで、長期的な視野で取引を行うことができる場合は生き物の様に変化する数銭勝負のFXで危険な賭けをするメリットはありません。
FXは「外国為替証拠金取引」
証拠金を数百倍にし短期間における数銭変動で利益を狙う。
具体的には、どうやって儲けるの?
FXが資金の数百倍ものお金を動かし、微小なレートの変化を狙い利益を生む取引であることは説明しました。
しかし、一体何故そのような巨額での取引が可能なのでしょうか。
また、貨幣のトレードで利益を得る過程とは一体どのようなものなのでしょうか。
順番に説明していきます。
まず通常の「外国為替取引」について、皆さんはどのようなイメージを持っていますか?
1ドル100円の時に100円で1ドルを購入し、1ドル120円になった時に購入した1ドルを売ると、20円の特になりますね。
簡単に言ってしまえば、「外国為替取引」とはこのように二種類の貨幣で時価の差を利用してお金を稼ぐことです。
では、「外国為替取引証拠金取引(FX)」では何が違うのでしょうか。
それは、先程も説明したように「証拠金」を用いて持ち金の数倍の取引をする点にあります。
この「証拠金」の要素を除けば、FX(外国為替証拠金取引)も外国為替取引も同じことなのです。
「外国為替取引」においては、100万円を持っている人は最大でもその100万円で取引を初め、持ち金の範囲内で取引を続けることになります。
しかし、「外国為替取引証拠金取引(FX)」では持ち金(取引保証金)に「レバレッジ」をかけることができるのです。
新しい単語「レバレッジ」が出てきても気後れすることはありません。
「レバレッジ」とは「テコ」のことです。
例えば「レバレッジ100倍」は、1万円の持ち金を持っている人が100万円分の取引が出来るようになることを意味します。
1万円しかない時にはあまりドルを買うことが出来ず、大きな為替の変動を待つしかありませんよね。
しかし、ビバレッジをかけることで100万円分の取引をすれば、数銭の変動で利益を得ることが出来ます。
一方、これは同時にあっという間に損をすることも意味します。
例えば、持ち金1万円の人がレバレッジ100倍で取引をしたとしましょう。
1ドル100円の時に100万円全てをドル買いに注ぎました(1万ドル購入)が、レートに大変動が起き1ドル90円となってしまいました。
この時決算、つまり購入したドルを円に戻すと、1ドルにつき10円の損失が1万ドル分生じるので10万円の損失となります。
持ち金の1万円を失い、九万円の借金となっていまいますね。
実際は損失が持ち金を超えた際に取引が強制的に打ち切られることもありますし、レバレッジ100倍などという設定で取引をする人は少数ですが、FXで大損をするイメージが掴めたでしょうか。
専門用語
基本的なFXのイメージが掴めたら、最後にFXについて取り上げた文章等で頻出の簡単な単語を理解しておきましょう。
為替取引で使われる専門用語はたくさんあります。
全てを説明することは到底不可能なので、ここではその中の一部を説明します。
レバレッジ
先程も説明したようにレバレッジとは、FXにおいて証拠金を元に取引に使用する持ち金を一時的に大きくすることです。
Wikipediaにおけるレバレッジの記述は
『経済活動において、他人資本を使うことで自己資本に対する利益率を高めること、または、その高まる倍率。 原義は「てこ(レバー、lever)の作用」。 レヴァレッジ、リバレッジなどカナ表記はいくつかある。 レバレッジ効果、レバレッジ率などとも。』
となっています。
あくまで「他人資本」なのです。
そして利益率が高まることも間違っていないのですが、その分のリスクも背負うことになります。
海外のFXサイトでは途方もないレバレッジを設定することもできるようですが、余程のことがない限り手を出さないほうが賢明でしょう。
スワップ損益(SW損益)
スワップ損益とは、為替取引に用いた貨幣間の金利差により生じる損益のことです。
金利は国によって異なるので、各国の貨幣を扱うFXでは当然無視できない要素ですよね。
例えば、低金利の国の通貨で高金利の国の通貨を購入した際にスワップ損益が生じます。
もちろんその逆も生じ、スワップ損益がジワジワと証拠金を減らしていき取引強制終了…なんていうこともあります。
一般的に、スワップポイント(金利率)が高いほど通貨としてのリスクが高いといえます。
取引単位
取引単位とは、取引(を行う際に最低限必要な売買)単位のことです。
FXを始めてみたいけど、大損はしたくないから1ドルだけ試しに買ってみよう…ということは不可能なのです。
取引単位の設定はFX会社によって異なりますが、1万通貨単位〜100通貨単位など様々です。
100通貨単位が取引単位の場合、最低でも100ドル購入する必要があるということです。
損益の幅にも大きくする取引単位ですが、なるべく小さい取引単位を設定しているFX会社を選ぶことが賢明でしょう。
結局、どうやって儲けるのか
長々とFXの基礎について説明しましたが、結局どうやってFXで儲けるのでしょうか。
その答えは、『安く買って高く売る!』もしくは『高く売って安く買い戻す!』という言葉に尽きます。
これ以外は何も、誰も完璧な方法を知りません。
深い洞察から、経済の動きを予測できる人はいるでしょう。しかし、それも完璧ではありません。
もしあなたが上の2つのうち、どちらかに成功すれば儲けることができます。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
FXについての基礎知識を取り上げましたが、取引の仕組み上リスクばかりが強調されている印象を持った方が多いかもしれません。
確かにFXはハイリスク・ハイリターンな取引ですが、経済に興味を持つ一つのきっかけになることは間違いありません。
今までFXや株にあまり興味を持っていなかった方も、これをきっかけにバーチャル取引などを始めてみては如何でしょうか。
バーチャル取引はあなたの手持ちのお金を実際に使用することはなく、実際の相場において取引を楽しむことが出来るシステムです。