お江戸でござる・日本が生み出したリサイクルの精神

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はじめに

リサイクル エコロジー 江戸時代 

ゴミの分別は、たいへんですよね。でもリサイクル社会を生み出したのは日本の江戸時代というのはご存じでしたか?

今ではエコロジーという言葉は浸透していますが、世界がそんなことを考えてもいなかった時代から、日本ではすでにリサイクルという精神とそれに伴う職業が存在していました。

それは、ゴミを減らす現代の試みとは違い、「ものを使い尽くす」ことが目的だったわけです。ですから、それを何度も蘇らせたり形を変えたりするための収益がありました。

古着屋

リサイクル エコロジー 江戸時代 

昔からアパレル業界は大きな商売だったようです。享保8年の記録によると、同業組合のメンバーは1180軒。昔は布も手織りでしたから、生産力は今のようにはなく、貴重品でした。着物を新調するのはごく一部のお金持ち。庶民には古着屋が身近なブティックだったわけですね。

和服は洋服と違い、一反の布を直線で無駄なく直線たちしてあるので、縫い目を解いて洗い仕立て直す、染め直して仕立てるなど、完全リサイクルが可能でした。古くなればさらに子供用に作り直す、おしめや雑巾になる、端布は端切れ屋に売るなど、一切無駄がなかったのです。

傘の古骨買い

リサイクル エコロジー 江戸時代 

時代劇によく登場する浪人の傘貼り、みなさんも見たことありますよね。現在の傘は破れたり壊れたりすれば、捨てるしかありません。でも昔の傘は再生が可能だったため、壊れた傘を回収する業者がいました。

専門の古傘問屋が油紙を剥がし、骨を修繕して傘貼りの下請けに出していました。剥がされた油紙は、痛みの激しい部分は焚きつけに、残りは天ぷら油や包装紙として重宝していたようです。

修理屋

リサイクル エコロジー 江戸時代 

修理屋には、古い鍋や釜の修理を行う「いかけ屋」割れた陶磁器の修理を行う「焼き接ぎ屋」、樽や桶の修理をする「箍屋」、包丁などのキレをよくする「研ぎ屋」など、数々の修繕業が存在しており、職人が巡回してくるのを待って、修繕をお願いしていたようです。

灰・肥だめもリサイクル

リサイクル エコロジー 江戸時代 

お風呂や料理の時の火の燃料として使っていた灰も、農家に売って農作物の肥料にしていました。また長屋は共同トイレだったので、排泄物も溜まります。これは農作物の貴重な肥料になり、大家さんにとっては農家に売るための大切な収入源だったようです。

紙くず拾い・紙くず買い

リサイクル エコロジー 江戸時代 

昔は古紙も再生していましたから、町中をせっせと歩き回り、紙屑や落ち葉などを集めて古紙問屋へ持って行き日銭を稼いでいた人もいました。

買い取りを専門とする業者もいました。こちらは資本を持った商人で、不要になった帳簿などを買い取り、古紙問屋などに卸していたそうです。昭和の時代にもあった「ちり紙交換」と同じですね。実際には紙だけでなく、ありとあらゆる不要品を買っていたようですよ。

実は江戸では、この紙屑の再生紙は「浅草紙」と呼ばれ、名産品でした。再生紙を作る「紙漉町」が浅草の近くにあったことに由来しているようです。ゴミを名産品に仕立て上げた、江戸の商人はすごいですね。

おわりに

リサイクル エコロジー 江戸時代 

江戸初期、人々の家庭ゴミは近くの川や堀に捨てていたようです。でもそれを拾い集めて燃料にしたり、売ったりしていましたから、江戸の町は一切ゴミがなく、世界で一番きれいな町だったようですよ。

1665年、幕府はゴミ処理場を永代町に決めます。ここから、ごみを集める、運ぶ、捨てるという現在の流れができたのです。

ものを大切にする、使い尽くす精神で節約とエコにつながります。けれどもっとすごいのは、ものを再生して価値あるものに変える産業と経済社会を作った彼らの精神。それこそ、現代社会の私達が見習うべきことかもしれませんね。

参考
http://www.simofuri.com/recycle/recycle.htm
http://www.mic.jp/fun/eco/index1.html

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