はじめに
炊事に洗濯、掃除に子育て…並べたら切りがない家庭労働。
主婦または主夫のみなさんが無償で提供している労働力、そんな皆さんの評価方法があるって、ご存じですか?
アメリカなどの欧米を中心に無償労働の評価額を推計していますが、我が国日本でも、平成9年から5年おきに評価額を出しています。
さて、皆さんの労働価値はどれくらいになるのか、見てみましょう。
どんなふうに算出するの?
家事活動の貨幣評価は主に2つあり、機会費用法(OC法)、代替費用法(RC-S/RC-G法)と呼ばれています。
OC法は「市場で働いたと仮定して、その分のお給料を見合わせる」ことで発生する賃金を換算、RC-S法は家事の内容を市場の類似サービスに当てはめる方法です。
RC-G法は家事使用人、家政婦さんのお給料に当てはめます。
そうすると主婦の年収は300万円?
内閣府経済社会総合研究所国民経済計算部が2011年に出した家事活動などの貨幣評価の推進方法を見てみると、OC法で一人当たりの年間無償労働評価額は、専業主婦が年齢平均で304.1万円、兼業主婦が223.4万円となっています。男性の場合は、専業、兼業とも割合は低いようです。
http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/sonota/satellite/roudou/contents/pdf/kajikatsudoutou1.pdf
他の算出方法では?
それとは別に、類似サービスに当てはめるRC-S法の分かりやすい例があるので引用してみます。
一日の労働時間を8時間とします。炊事3時間、掃除2時間、家計管理1時間、子育ては休むことがないので8時間家事をしながら、ということで見てみると、
家事=給食おばさんの時給 1,100円×3時間=3,300円
掃除=清掃業の時給 1,100×2時間=2,200円
買い物=ピザ、お弁当宅配 1,000円×1時間=1,000円
家計管理=一般経理事務 1,100×1時間=1,100円
子育て=ベビーシッター 日給1万円
とすると、総合計が17,700円となります。
週末はご主人と一緒になると半額になり、その他の業務を平日のみとすると、17,700円×20日=354,000円、土日5,000円×8日=40,000円で、394,000円となります。
残業代や雑務を含めると、また数字が大きくなるかもしれませんが、大企業の中堅サラリーマンの月給並ですね。
もちろん、子供がいない夫婦や兼業夫婦の場合は、また金額が別になります。
http://heikinnenshu.jp/tokushu/shufu.html
アメリカ・カナダでは年収1200万円??
アメリカの調査会社salary.comが毎年行っている家事労働の価値を給与に換算して発表していますが、それによると主婦の家事労働価値はなんと1,200万円!日本の倍以上ですね。
これも類似職種に当てはめるRC-S法ですが、コックやコンピューターのオペレーター、心理学者や車の運転手で換算しています。
http://allabout.co.jp/gm/gc/294903/
市場規模や収益が違う家庭は、ちょっと事情が違いますよね。
専業主婦は減少してる?
厚生労働省の「国民生活基礎調査の概況」によると、専業主婦世帯は1980年をピークに減少しています。1980年に1150万世帯だったのが、2010年には797万世帯に。共働き世代が増加していることになります。この理由としては、まず経済的な事情、そして子供のいない世帯なども増えている、女性の社会進出などがあげられます。
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa13/dl/02.pdf
おわりに
いずれの算出方法も市場での代替価値であって、正確な数字とはいえません。低く評価されがちな家事労働ですが、掃除や洗濯の単純作業以外にも、考えたり頭を痛めたり、環境や事情、障害も様々。
子育て、教育、介護に至っては年中無休です。実は、誰よりも胸をはっていいのではないでしょうか。主婦、主夫のみなさん、今日もがんばりましょう!
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